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スムピタの判定基準

点数はすべて、23区3,142町丁目の中での相対的な順位です(100に近いほど上位)。 絶対的な安全性を表すものではありません。何をどう数えているかを、軸ごとに書いておきます。

治安は、何を基準に判定しているか

その町丁目で1年間に起きた犯罪のうち、住む人の安全に直接関わるものを、人口あたりの発生率にして23区内で順位づけしたものです。

使っているデータ

警視庁「区市町村の町丁別、罪種別及び手口別認知件数」令和7年・令和6年警察が認知した件数です。被害届が出ていないものは含まれません。

点数に数えているもの

重大犯罪重み 65%

強盗 ・ 暴行 ・ 傷害 ・ 脅迫 ・ 恐喝 ・ 凶器準備集合 ・ 空き巣(留守中の住宅に侵入) ・ 忍込み(就寝中の住宅に侵入) ・ 居空き(在宅中の住宅に侵入)

生活犯罪重み 35%

自転車盗 ・ 車上ねらい ・ ひったくり ・ すり ・ 置引き ・ オートバイ盗 ・ 自動車盗

あえて数えていないもの

万引き ・ 詐欺 ・ 占有離脱物横領 ・ 賭博 ・ 事務所荒し ・ 出店荒し ・ 学校荒し

駅前に商業施設やオフィスがどれだけあるかで件数が決まってしまい、そこに住む人の安全とは連動しないためです。実際、23区で最も多い罪種は自転車盗38,266件と万引き17,592件で、選別せずに合算するとこの2つがスコアを支配してしまいます。選別の有無で結論が90点以上ひっくり返る町丁目もありました。

点数の出し方

  1. 1対象の犯罪件数を、その町丁目の居住人口1,000人あたりの発生率になおします。
  2. 2重大犯罪はめったに起きないので、令和6年と令和7年の2年分を合算します。1年だけだと0件の町丁目が多すぎて差がつきません。
  3. 3そのうえでベイズ平滑化をかけています。これを入れないと、重大犯罪がたった1件起きただけでスコアが26ポイント落ちてしまい、実態以上に敏感な指標になります。
  4. 4最後に23区の全町丁目の中でのパーセンタイル順位を出し、0〜100点にします。100に近いほど発生率が低いという意味です。

読むときに気をつけること

  • 件数を割る分母は「夜そこで寝ている人の数」(住民基本台帳の人口)です。オフィス街や繁華街のように昼間だけ人が集まる場所は、被害者が来訪者でも住民の数で割ってしまうため、点数が実態より低く出ます。該当しそうな町丁目には注記を出しています。
  • 居住人口が100人未満の町丁目(148件)はスコアを出していません。分母が小さすぎて発生率が跳ねるためです。
  • 区ごとの平均は出していません。千代田区は区平均28.5に対し、住宅地の四番町は86.5です。区で語ると必ず誤解が生まれます。

洪水・内水は、何を基準に判定しているか

大雨のとき、その町丁目がどれだけ水に浸かると想定されているかを、町丁目全体で均した平均浸水深として23区内で順位づけしたものです。

使っているデータ

東京都建設局「浸水予想区域図(改定)浸水深・地盤高データ」+ 国土数値情報「洪水浸水想定区域データ(河川単位)」令和7年度版東京都データは23区に関係する7流域ぶん、約10mメッシュの点データ。荒川・多摩川・江戸川は国が管理する川で東京都データに入らないため、国土数値情報から補っています。

点数に数えているもの

東京都が管理する河川と、下水があふれる内水氾濫

神田川・隅田川・中川・石神井川・呑川など7流域 ・ 浸水深は実数値(m)。約10mメッシュ

国が管理する河川(統合済み)

荒川・多摩川・江戸川 ・ 23区で1,437町丁目・人口423万人が該当 ・ 浸水深は6段階の区分(0〜0.5m / 0.5〜3m / 3〜5m / 5〜10m / 10〜20m / 20m以上)

点数の出し方

  1. 1町丁目のポリゴンの中に入る浸水想定の点をすべて拾い、浸水想定区域が町丁目の面積に占める割合を出します。
  2. 2その区域内での平均浸水深をかけ合わせ、「町丁目全体で均した平均浸水深(m)」にします。
  3. 3面積割合だけだと「広く浅く浸かる街」と「狭く深く浸かる街」の区別がつかないため、掛け合わせています。
  4. 4荒川・多摩川・江戸川は6段階のランクを代表値(0.25 / 1.75 / 4.0 / 7.5 / 15 / 20m)に置き換え、東京都データと同じ単位に揃えます。複数の川が同時に決壊する想定ではないので足し合わせず、いちばん深い想定を採ります。
  5. 5この値を23区内でパーセンタイル順位にして0〜100点にします。100に近いほど浸水想定が浅いという意味です。
  6. 6国管理河川を統合していなかった当初、千代田区岩本町一丁目と中央区東日本橋3丁目は洪水スコア100点満点でした。実際には荒川で1.75mの浸水が想定される場所です。統合により461町丁目(人口131万人)の点数が20点以上下がりました。

読むときに気をつけること

  • 国のデータは6段階のランクなので、代表値に置き換える段階で誤差が出ます。とくに「0.5〜3.0m未満」は幅が広く、1.75mで代表させています。また東京都データは内水氾濫(下水があふれる冠水)を含みますが、国のデータは川があふれる外水氾濫だけです。前提の違う2つを同じものさしに載せている点は、割り引いて読んでください。
  • 荒川・多摩川・江戸川の想定深は「面積がいちばん広い区分」を主たる想定深として表示します。最大値は見出しにしません。中央区銀座8丁目は15万㎡のうち53㎡だけが10〜20mの区分にかかっており、最大値だけ見せると「銀座は10m浸水する」と読めてしまうためです。
  • 家屋倒壊等氾濫想定区域(家が流される・倒壊するおそれのある区域)は、あえてこの点数に入れていません。浸水の深さとは種類の違うリスクで、点数に溶かすと「上の階に逃げれば助かるとは限らない」という警告の強さが失われるためです。該当する795町丁目(人口264万人)には別枠で警告を出しています。
  • 元データでは浸水深0.1m未満の区域に色がついていません。「0m」は浸水しない保証ではありません。
  • 川があふれる外水氾濫と、下水が処理しきれず道が冠水する内水氾濫の両方を含みます。都心で実際に多いのは後者です。
  • 同じ区でも一本道を挟んで大きく変わります。区の平均で判断しないでください。

家屋倒壊等氾濫想定区域(点数にしていないリスク)

川があふれたとき、家そのものが倒れる・流されるおそれのある区域です。4つの点数のどれにも入れていません。

使っているデータ

国土数値情報「洪水浸水想定区域データ(河川単位)」令和7年度版国土交通省と都道府県が水防法にもとづいて指定している区域です。

対象にしているもの

2種類の区域

氾濫流 — 氾濫の流れそのもので家屋が倒壊・流出する区域 ・ 河岸侵食 — 川岸が削られて家屋が流出する区域

どう扱っているか

  1. 1町丁目のポリゴンと2種類の区域を重ね、それぞれが町丁目の面積に占める割合を出します。
  2. 223区では795町丁目・人口264万人が該当します。
  3. 3点数はつけません。該当する町丁目に、面積割合とあわせて警告として出しています。

読むときに気をつけること

  • 【なぜ点数にしないか】洪水スコアは「どれだけ深く浸かるか」の指標です。そこに「家が流される」を混ぜると指標の意味が濁りますし、点数に溶かすと警告としての強さが失われます。3m浸水する街と、2m浸水だが家が流される街を、同じ点数にしてはいけません。
  • 浸水の深さとは別のリスクです。上の階へ逃げれば助かるとは限らず、区域の外へ出る水平避難が前提になります。
  • 実際の避難計画は、必ずお住まいの自治体のハザードマップと避難情報で確認してください。このアプリは候補を絞るための道具で、避難の判断に使うものではありません。

高潮は、何を基準に判定しているか

最大級の台風が最悪の経路で来て堤防が決壊したとき、その町丁目がどれだけ浸かると想定されているかです。洪水とは別物として分けています。

点数の出し方

  1. 1想定条件は、室戸台風級(中心気圧910hPa)が東京湾に最大の高潮を起こす経路で来襲し、同時に河川の洪水が発生し、堤防等が決壊するというものです。かなり厳しい前提です。
  2. 2計算方法は洪水とまったく同じで、浸水想定区域の面積割合 × 区域内の平均浸水深です。同じものさしで比べられるように揃えています。
  3. 3この値を23区内でパーセンタイル順位にして0〜100点にします。

読むときに気をつけること

  • 世田谷・渋谷・中野・杉並・豊島・練馬の6区は、内陸のため東京都が想定区域そのものを設定していません。これらの区の高潮欄は「調べていない」であって「安全」ではありません。地図では斜線で表示しています。
  • 洪水と統合していません。高潮は中央値0mなのに90%点が2.73mという極端な二極分布で、「ほとんどの町丁目は関係ないが、該当すると一気に深刻」という性質です。洪水と足すとこの二極性が消えてしまいます。
  • 実際、港区芝浦2丁目は洪水94.3点なのに高潮24.6点です。豪雨対策は行き届いていても、堤防決壊を伴う高潮には無力ということです。こうした町丁目には警告を出しています。
  • 土地の高さ(平均地盤高・最低地盤高)は、スコアカードの下に「この土地の高さ」として点数をつけずに出しています。もともとは「地盤」という独立した軸でしたが、高潮スコアとの相関が0.856あって情報の4分の3が重複していたため、軸からは外しました。順位ではなく実際の数字を見てください。平均地盤高が満潮時の海面より低い町丁目(23区で234件)には「ゼロメートル地帯」の印をつけています。

地盤は、何を基準に判定しているか

地震のときに足元の土が液状化しないか、です。埋立地や昔の川筋のように、砂と水を含んだゆるい地盤ほど低得点になります。

使っているデータ

東京都土木技術支援・人材育成センター「東京の液状化予測図 令和7年度改訂版」PL分布図・液状化履歴図実際に掘ったボーリング調査20,477地点の判定結果です(23区内に14,185地点)。液状化予測図そのもの(250mメッシュ)は閲覧専用で配布されていないため、その材料を使っています。

点数に数えているもの

PL値(液状化指数)による3段階判定

大(PL>15)— 液状化の可能性が高い ・ 中(5<PL≦15) ・ 小(0≦PL≦5)— 可能性が低い

過去に実際に液状化した記録

1923年 関東大地震(23区で261町丁目) ・ 2011年 東北地方太平洋沖地震(35町丁目)

点数の出し方

  1. 1町丁目に入るボーリング地点を拾い、3段階の判定を代表値(小2.5 / 中10 / 大20)に置き換えて平均します。
  2. 2そのうえで治安スコアと同じベイズ平滑化をかけています。町丁目あたりの地点数は中央値3で、1本しかない町丁目が516件あるためです。これを入れないと、たった1本の「大」判定で最下位まで落ちてしまいます。
  3. 323区内でパーセンタイル順位にして0〜100点にします。100に近いほど液状化しにくいという意味です。
  4. 4過去に液状化した記録は点数に混ぜていません。予測と実績は別物なので、事実として並べて出しています。実際、記録がある町丁目の点数は中央値21.4、無い町丁目は61.3と、独立に計算した点数がきれいに分かれました。

読むときに気をつけること

  • 【最重要】「液状化しにくい」と「地盤が硬い」は違います。東京都の公式な注意書きにも、低地で液状化の可能性が低いと判定された場所の中には、軟らかい粘土でできていて建物の基礎地盤として適さないところがある、と明記されています。この点数は液状化のしやすさだけを見ています。
  • ボーリング地点が1つもない町丁目が456件あります。判定できないので斜線で表示しています。地盤が良いという意味ではありません。
  • ボーリングが2本以下の町丁目には注記を出しています。1〜2本が町全体を代表しているとは限りません。
  • 元データの判定は、地盤改良などの液状化対策工の効果を考慮していません。また「小」の区分は PL=0 から 5 までをひとまとめにしているので、「まったく液状化しない」と「わずかにする」は区別できません。
  • 土地や建物の取引で液状化判定が必要な場合は、この点数ではなく、自分で詳細な調査を依頼してください。